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医師のキャリアをとりまく環境・未来
真野 俊樹1987年名古屋大学医学部卒業。医師、医学博士、経済学博士、日本内科学会専門医、MBA。臨床医を経て、95年9月コーネル大学医学部研究員。外資系製薬企業、国内製薬企業のマネジメントに携わる。その後、昭和大学医学部(病院管理学担当)専任講師を経て、現在、多摩大学医療リスクマネジメントセンター教授。 医師と医療経済 第7回アナリストとはさて、前回アナリスト的な仕事と記載しましたが、アナリストとはどんな仕事なのでしょうか。 アナライズとは分析するという意味であるのはみなさまご存知のとおりで、アナリストという言葉をYAHOOの辞書で調べれば、
といった定義が書いてあります。 しかし、今では何でもかんでもアナリストといえば、格好がつくということで、さまざまなアナリストがいるのもまた事実です。たとえばわたしも、シンクタンク時代に何かの雑誌で、格好がいいからということもあってか、医療アナリスト、といった肩書きをつけられたことがありましたが、もちろん公式なものではありません。 さて、私は、シンクタンクで、一番メジャーなアナリストである証券アナリストに近い仕事をしていたのです。 証券アナリスト証券アナリストとは、証券投資の分野において、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルのことをいいます。 近年、資本市場の発達と高度化に伴って、証券アナリストの所属する業態は大きく広がるとともに、一層専門化が進んでいます。例えば、証券会社の調査部門などに所属し、産業・企業調査を基に、個別証券の分析・評価を行うのがリサーチ・アナリスト(狭義の証券アナリスト)です。一方、投資信託・投資顧問、信託銀行、保険などの機関投資家には、さまざまの投資目的に合った証券を組み合わせて、総合的な資産運用に携わるファンド・マネジャー)という専門職がいます。ファンド・マネジャーには、サラリーマンでありながら長者版付けに乗ったりする方もいます。 私は、この中で、リサーチ・アナリストにちかい仕事、すなわち産業調査なかでも医療分野の調査をしていたことになります。 日本では、この分野に医師はほとんどいません。しかし、外資系に勤務すればそれなりに高給を得ることもできるので、そのためばかりではないでしょうが、海外では医師が証券アナリストをしている例もあります。また、ファンド・マネジャーや、もう少し専門的な、ベンチャーキャピタリストといって、ベンチャー企業に投資する仕事についたりしている医師もいます。 医師が他学部の教官になる例さて、今回まででおおよそ私がたどってきた道のりを書いてきました。私自身は、シンクタンクでの仕事を5年間ほどしたそのあとは、医療経営のビジネススクールの客員教授になり、今はその延長線上で同じ大学の研究所の教授になっています。 ここで、すこし医師あるいは医学部を出た方がどのような教官職についているのかをざっとみておきましょう。まず、私のように経済とか経営といった分野に行かれている方は少ないです。立命館大学や甲南大学に医療経済の教官がいますが、経営学にはほとんどいません。一方、医学部や福祉系の大学で経営を教えている大学があります、ここには医師や医療系の教官は多くいます。 何が違うのか、といいますと、福祉系や医学系の経営では、生徒さんが福祉や医療系の現場の方が多いです。そして教える内容も、医療制度や介護といったものが多くなります。あるいは薬剤経済とか臨床経済(医療の経済評価を行います)といった、後で述べますが理科系的なアカデミックな切り口のものになります。 一方、経営学部あるいはビジネススクールということになりますと、企業の方も多くなり(というか企業の方のほうが当然多いです)教える内容も、本格的になります。 その他のケースでは、新しいタイプの学部、たとえば人間関係であるとか環境マネジメントとか、こういったポストは学際的な授業をしたり研究をするという位置づけなので、医師が教官になっている例もみられるようです。 文科系と理科系経営学や経済学を教えている医師の場合には、医学だけを学んだ人ではないことが特徴になります。つまり、医師でかつ経済学博士とか経営学博士号を持っている人が教えているケースがあります。これには、医学博士と同じで論文博士と過程博士(大学院卒業が必要)があります。私は論文博士なのですが、実は日本では文科系と理科系では大きな壁があります。 単純に、私が論文博士を文系でいただけたのは、論文もさることながら、書籍によってです。すなわち、新しい考え方なり体系を持ち込んだという点が評価されます。しかしながら、皆様がご存知のとおり理科系では、英語の論文が要求されることが多いですし、新しい発見があることも望まれます(医学では、気取ってノイエス(ドイツ語)などといいますが)。逆に論文は短くてもかまわないようですし、むしろネイチャーやサイエンスといった世界的な基礎研究論文や、ニューイングランドジャーナルオブメデシンやランセットといった世界的な臨床論文になればなおさら評価が高くなるでしょう。 文科系の場合には、経済学の1部などを例外として、英語論文そのものが少ないですし、私どもの医療経営や医療経済の世界でも、医師の方などが薬剤経済や臨床経済でときどき書かれる程度になっています。 |
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